網膜硝子体手術

網膜硝子体手術とは?

■ 硝子体とは?

水晶体より奥にある眼球の大半を占める透明なゲル状の組織です。眼球の形を保ち、透明性を維持する役目をしています。この硝子体が様々な原因で網膜を牽引したり、混濁したり、出血することによって目の疾患を引き起こします。

■ 網膜硝子体手術とは?

硝子体の異常により起こる疾患を治療するために硝子体を除去する手術です。

網膜硝子体手術について

当院では、実績豊富な院長が最高水準のクリーン度の手術室で安全な日帰り硝子体手術を行います。手術の詳細については手術前に詳しく説明しますのでご安心ください。

1.手術室で眼の消毒後、麻酔の注射をします。
手術室で眼の消毒後、眼の下の部分に麻酔の注射をします。
痛みに過敏な方には、手術中麻酔を追加しますので、痛みを感じることはほとんどありません。
2.白目に手術機器を挿入するための小さな穴を3つあけます。
穴にはそれぞれ下記の目的があります。
①手術中に眼球の形態を保つための灌流液を入れるため。
②手術中、眼内を照らす照明を入れるため。
③硝子体を切除する器具やピンセットなどを入れるため。
3.硝子体を切除し、膜を取り除きます。
出血などで濁った硝子体を切除し、切除した分だけ眼内に灌流液(かんりゅうえき)を置換します。その後は疾患によって、必要に応じて下記のような処置を行います。
  • ・網膜にレーザーを照射する。
    (裂孔周囲、虚血網膜、毛細血管瘤など)
  • ・網膜上の膜をピンセットで除去する。
    (黄斑前膜、黄斑円孔など)
  • ・増殖膜を除去する。
    (増殖糖尿病網膜症、増殖硝子体網膜症など)
  • ・灌流液をガスに置換する。
    (網膜剥離、黄斑円孔など)

  • ※ガスを注入した患者様は手術後数日間うつむき姿勢が必要です。
  • ※年齢や元疾患により白内障手術を同時に行うことがあります。
  • ※手術時間は疾患によりますが、軽症なら40分前後、重症の場合は1.5時間かかります。
  • ※ほとんどの疾患は日帰り手術が可能ですが、病態によっては入院加療が必要な場合は連携の医療機関を紹介します。

硝子体手術が適応される疾患

その他にも、下記の疾患に適応されます。
増殖硝子体網膜症、網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症、網膜下出血、硝子体混濁など

手術の合併症について

手術の合併症

1.硝子体出血 手術後に、硝子体出血が生じることがあります。出血が少なければ自然吸収を待ちますが、吸収が遅い場合は再手術をして出血を取り除きます。
2.感染症 手術前には、目の消毒を十分に行いますが、細菌感染症が生じる危険性があります(発生頻度は2,000例に1回と言われています)重症の場合は失明につながることがあります。手術後に視力低下、充血、眼痛等の症状が出た場合は、すぐにご連絡ください。
3.網膜剥離 手術後に網膜剥離が起こることがあります。網膜剥離が起こった場合、網膜を元に戻すための再手術が必要になります。
4.角膜障害 元々角膜の機能が悪い方は、手術をきっかけに角膜の表面に傷が付いたり、角膜が濁ることがあります。
5.緑内障 手術後に眼圧が上がる場合があります。点眼や内服で治療しますが、眼圧が下がらない場合は、緑内障の手術が必要になります。また、糖尿病網膜症が進行しているときには、血管新生緑内障というきわめて治療の困難な状況になり、失明に至る場合もあります。
6.駆逐性出血 手術中に異常に血圧が上がったり、強い緊張、咳き込むなどの負荷が加わると、動脈からの出血(駆逐性出血)が起こることがあります。このような出血の頻度はきわめて少ないのですが、視力が大きく損なわれます(発生頻度は10,000例に1回と言われています)

ページトップへ