白内障とは?
白内障とは、水晶体が白く濁る病気です。正常な水晶体は光をよく通すためものが見えますが、水晶体が濁ると光を十分に通さないため視力が低下します。
白内障の原因で最も多いのは加齢によるものです。他にも生まれつき白内障を発症している場合や、眼のけがや薬剤の副作用から白内障を起こす場合もあります。アトピーをお持ちの方もなりやすい傾向があります。
白内障の主な自覚症状
- ものがかすんで見える。
- 眩しく感じる、明るいところで見えにくい。
- 一時的に近くが見えやすくなる。
- 眼鏡が合わなくなる。
■ 治療方法
日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬により、白内障の進行を遅らせることができます。
しかし点眼治療では、症状を改善できないため、医師と相談して適切な時期に手術を受けることをお勧めします。
白内障手術について
白内障の手術は、濁った水晶体を超音波で砕いて取り出し(超音波水晶体乳化吸引術)、人工のレンズ(眼内レンズ)を入れる手術です。当院では2.4mmの極小切開創で手術を行い、術後の乱視や感染症のリスクを減らします。
当院での白内障手術の特徴
万一術中合併症が起きた場合も、当院では対応(硝子体手術)ができます。他院で断られた難症例でもできる限り対応しますので、ご相談ください。
白内障手術の流れ
手術前日までの流れ
手術当日の流れ
- ○ 普段通りに食事を済ませ、服用中のお薬も飲んでいただけます。
- ○ 体温、血圧測定を行います。
- ○ 散瞳薬(さんどうやく)の点眼をしていただきます。
- ○ 消毒後、手術を開始します。(進行具合や目の状態によりますが、およそ5~10分程度です)
- ○ 安静後、体調などに異常がなければお帰りいただけます。
術後の注意点
- ● 術後は目を強く押さえないようにしてください。
- ● 清潔に保つようにしてください。
- ● 洗顔、入浴、洗髪については医師の指示に従ってください。
- ● 決められた回数の点眼を必ず継続してください。
- ● 不安なことがあれば、医師にご相談ください。
よくある質問
手術の合併症について
1.駆逐性出血 | 手術中に異常に血圧が上がったり、強い緊張、咳き込むなどの負荷が加わると、目の奥にある動脈から急激な出血が起こることがあります。このような出血の頻度はきわめて少ないですが、視力が大きく損なわれます(発生頻度は10,000例に1回と言われています)。 |
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2.感染症 | 手術前には、目の消毒を十分に行いますが、細菌感染症が生じる危険性があります(発生頻度は2,000例に1回と言われています)。重症の場合は失明につながることがあります。手術後に視力が下がったり、充血、眼痛といった症状が出た場合は、すぐにご連絡ください。 |
3.レンズ度数の 誤差 |
強度の近視の方などで、まれに眼内レンズの度数が手術前の計算とずれることがあります。ずれが大きい場合は、レンズを取り替える手術を行う場合があります。 |
4.後嚢破損 | 水晶体を支える組織が弱く、水晶体嚢が手術中に破けることがあります。破嚢の程度が大きい場合は、眼内レンズを挿入できないこともあります。この場合、後日あらためて眼内レンズを眼球に直接縫いつける手術を行います。 |
5.水晶体の落下 | 水晶体を支える組織が弱い場合や後嚢破損が生じた場合、水晶体が目の奥(硝子体腔)に落ちることがあります。落ちた水晶体は、硝子体手術で摘出します。 |
6.屈折異常、 乱視 |
眼内レンズのピントは一ヶ所にしか合いませんので、手術後は眼鏡による矯正が必要になります。眼内レンズのピントを遠方、近方のいずれに合わせるかは、手術前にご相談ください。 |
7.高眼圧 | 手術後の出血や炎症、手術前からの緑内障の悪化などが原因で、眼圧が上がることがあります。多くの場合一過性で、点眼や内服治療で改善します。 |
8.後発白内障 | 手術後数年以内に約10%の頻度でレンズを支える袋(後嚢)が濁り、視力の妨げになることがあります。その場合は、レーザーで濁った嚢に切れ目を加えることで、視力を回復させます。濁りの破片により飛蚊症がでる場合がありますが、時間とともに減ってくることが多いです。 |
9.黄斑浮腫 | 手術後に網膜の中心部(黄斑)に「むくみ」が生じ、視力が一時的に低下することがあります。点眼、内服による治療を行います。まれに視力低下が持続する場合にはステロイドテノン嚢下注射や追加手術を行うことがあります。 |
10.水疱性角膜症 | 角膜内皮細胞数が、一定値以下になると角膜浮腫が生じ、視力が低下します。その場合、角膜移植手術が必要になることがあります。 |